投稿者「細川」のアーカイブ

環境報告書展


 2019年3月1日から5日まで地下歩行空間で札幌市主催の環境報告書展が開かれました。
当会ではB2のポスターに彫刻清掃の写真と「木下成太郎像」、「よいこつよいこ」の修復の様子を載せ展示しました。
「つよいこよいこ」の修復作業、ビフォーアフターは、ちょっとショッキングな写真ですが、こうして後世に残していかなければならない彫刻の経過が少しでも理解されればと思いました。
 ★画像はサムネイルですが、クリック頂くと大きく見ることができます。

2019年新年会


2019年1月26日(土)30名のお客様を迎え、新年会が奥井理ギャラリーで行われました。ご存知の通りこの会場は事務局奥井さんのご長男理(みがく)さんの遺作絵画が展示される会場です。橋本会長の新年の挨拶、本郷新記念札幌彫刻美術館々長、寺嶋弘道氏のお言葉を頂戴しました。続いて会長から「道史関連彫刻100選」がプロジェクターで紹介されました。内容は北海道命名150年の年に当たり、関連のモニュメント彫刻・歴史的人物の肖像彫刻が中心です。ミニコンサートでは、事故で右手に障害を持つトランペッター鈴木由紀さんと絵本とピアノを組み合わせた作品などユニークなピアノ奏者、瀬野朋絵さんお2人の演奏で和やかな暖かい雰囲気の新年会となりました。

羊ヶ丘展望台「クラーク博士像」清掃活動


10月11日(木)朝8:30羊ヶ丘展望台集合で、地域の方2名を含む6名で清掃活動を行った。秋晴れの気持ちの良いお天気でしたが、台風で順延になっていたらしい修学旅行生の観光バス11台が9時前後に次々と到着し、なかなか作業が始められなかった。次回から作業時期を修学旅行シーズンを外すとか検討する必要があるかもしれない。

 

クラーク像の横で写真を撮ることの邪魔をしない様同じ敷地内にある「少女と羊像」(山脇正邦作)と石原裕次郎の歌碑(坂担道作)を合わせてクリーニング。観光に来ていた方々も私たちの活動が珍しいのか興味深そうに見ていたのが印象的。お手伝い頂いた皆様お疲れ様でした。

「木下成太郎像」修復と清掃


「昨年秋、台座から外されて修復中だった中島公園の《木下成太郎像》が
8月28日、修復作業が終わり、元の台座に据え付けられました。
この日は損傷調査などを手掛けた武蔵野美大の黒川教授ら関係者が見守る中、
「木下翁」が運び込まれ、クレーンに吊り下げられて無事、台座に
固定されました。ぐるぐる巻きにされた保護材を外すと化粧直しした像が姿を見せ、
周りから拍手がわき上がりました。
 翌日29日(水)修復された像の清掃作業を皆で行いました。黒川教授のご指導の下、
古いワックスの水撥ね状態の確認や、蜜蝋のワックス濃度を確かめ、
最後に念入りに乾拭きする場所の確認などを行い無事終了。
 美しく蘇った像が市民に大事にされ、末永く親しまれる様願っています。

中島公園「鶴の舞」開成中学生と清掃


8月10日、開成中学校の生徒さんと一緒に<鶴の舞>を清掃した時の記事が、道新朝刊に
掲載されました。
鶴の舞が設置されている中島公園は、今回の台風で大木があちこち根こそぎ倒れていましたが、
<木下成太郎像>はじめ、園内の彫刻には被害はなかったようです。

「開拓母の像」彫刻清掃

7月29日(日)真夏の焼けつくような空のもと7名の会員が、彫刻清掃に参加してくださいました。
「開拓母の像」は、札幌を代表する彫刻家佐藤忠良が北海道農協夫人連絡協議会10周年を記念して制作を依頼されたものです。制作にあたっての面白いエピソードがありますが、ともあれ佐藤忠良には珍しく重厚で、逞しく生きた開拓農民女性の姿や思いが見事に表現された作品です。投稿の写真でビフォーアフターがお解りいただけるでしょうか。水洗いからワックスがけ、そして磨き上げるまで入念に行い、素晴らしく美しく蘇りました。細川の解説の後、大通公園の木陰で頂くおにぎりもピクニック気分でなかなか良いものです。参加頂いた皆様お疲れ様でした。

2018かもくま祭


2018年7月1日(日)中島公園に於いて、恒例の「かもくま祭」が行われた。生憎の雨で外での活動は中止。こぐま座を含む中での活動になった。彫刻美術館友の会では、彫刻作品の写真をボードに張ったジグソーパズルに挑戦してもらった。上手くできた子供たちには、風船アートや手作りの品をプレゼント。狭い場所で少しかわいそうでしたがとても楽しそうでした。

小樽・余市バスツアー


2018年6月6日(水)前日の大雨とは打って変わり、良いお天気に恵まれ、参加者43名で初夏の小樽・余市のバスツアーを楽しみました。
工程は、フゴッペ洞窟・オチガビワイナリー・小樽芸術村・渡辺行夫アトリエ訪問といったところです。
オチガビワイナリーではフレンチのランチを頂き、ワインは飲み放題でしたが時間が限られていたので申し訳なかったと思っています。オチガビワイナリーは5月19日に彫刻美術館で行われた松本隆さんの文化講演会で「ロッピアのテラコッタ彫刻の再現に向けて」~ワインの釉薬=ワインの澱を受けての訪問になりました。
小樽芸術村は2回目の訪問ですが、今回はお隣にある旧三井銀行での「浮世絵展」をアートコーディネーターの高橋淑子さんの説明を受けながら堪能しました。天井に映し出された映像は、会員馬場房子さん制作のもので、ゆったりとしたソファーにしばし座りこみ、心地よい時間でした。最後渡辺行夫先生のアトリエ訪問、石の彫刻家で有名ですが近年「イタドリ」に夢中!北海道で自生するのは大イタドリで粉末にして接着剤と混ぜて作るそうです。丁度何ともリアルな恐竜が見られ、楽しませて頂きました。皆様お疲れ様でした。

第5回彫刻セミナー&講演会

 5月19日(土)午前から午後に渡り、本郷新記念札幌彫刻美術館で開催されました。
第5回彫刻セミナー【屋外彫刻の固定における危険性と鉄材料の問題点】と
講演会【ルネサンス期フィレンツェのテラコッタ彫刻】が盛会のうちに終了。

午前は、武蔵野美術大学、黒川教授の彫刻セミナーで彫刻家や修復専門家を含めて
約30人が参加。特に野外彫刻における鉄材の腐食と補修問題点が報告されました

午後の講演会は参加者数50人余りで研修室がほぼ満席!
司会の常田益代先生(北大名誉教授)が古代ギリシア・ローマ時代のテラコッタの特徴、ロマネスクからルネッサンスに至るまでのイタリア、フィレンツエの建築や産業構造などに触れ、お二人の講演に移りました。
 
藤崎悠子先生の【イタリア・ルネサンスのテラコッタ彫刻とロッビア工房の施釉作品】は15世紀のイタリア美術の歴史と特徴を紹介しながら、3代にわたる彫刻家ロッビア一族のテラコッタ制作を解説したもので、沢山の図版による緻密なプレゼンはいずれも興味深く、大変勉強になりました。

松本隆先生の【ロッビアのテラコッタ彫刻の再現に向けて~ワインの釉薬の話】では余市産のワイン滓から作った釉薬を施して作った再現テラコッタ作品と約500年前のロッピア実作品の断片までも持参し、現物をかざしての熱のこもった解説に午前・午後を通して、それぞれの内容が大変刺激的かつアカデミックだった上、ルネサンス期フィレンツエのイメージまでも重なり、この一日はまるで大学での講義や実習を思わせるほど大変充実したものになりました。