会の理念

野外彫刻と街なかの美を守ろう
野外彫刻の設置はテープカットで終わらない!

札幌彫刻美術館友の会 会長 橋本信夫2010.12.04  

rinen1国際文化都市札幌には、様々な野外彫刻が500点近く設置されています。いずれも風雨にさらされながら美しい自然や都市の景観を背に個性的存在感を示し、美術館の収蔵作品とは大きく趣を異にしています。
残念ながらこれらの多くは、街の歴史を刻む貴重な作品や有名作家の佳品にもかかわらず、鳥の糞、土などによる汚れ、あるいは排気ガスや酸性雨などによるさび、劣化や破損など、芸術の香りの失せた悲惨な状況のまま放置されています。しかしこれらの管理責任を負うべきお役所はどこも芸術文化や観光の振興を謳いながら、いつも財政逼迫を理由に耐久文化財の美化や保全対策をほとんど講じていないのが現状です。
街なかの美を彩る石やブロンズの名作はその優れた耐久性から、地域の芸術文化のシンボルあるいは郷土史の記録として、世代を越えて守られなければならないものです。それだけにこれらの耐久文化財が地域の大事な財産として住民の手によって常に美しく保たれている必要があるのです。
こうしたことから、最近「野外彫刻の設置はテープカットで終わらない」を合い言葉に、市民参加による野外彫刻の清掃活動が各地で興ってきました。
彫刻の清掃作業は実際には大変簡単です。誰でも雑巾とブラシと水さえあればすぐにでき、そして洗い終えてきれいになった彫刻作品を眺めたときの深い満足感は言葉で表せません。またそこを再び通りがかったとき、必ずきれいかどうかが気になります。
こうして大勢の市民が身近な公園や広場などの野外彫刻(パブリックアート)を相手に雑巾片手に汗をかき、草の根市民の目線で「街なかの美を守る」ところから新しい市民文化が芽生えてくるように思われてなりません。

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