札幌市におけるコンクリート彫刻の経年劣化の現状

「芸術作品をいつまでも美しく、作家の意図を永遠に伝えるために」
札幌市におけるコンクリート彫刻の経年劣化の現状

日本では広場や公園などに様々なコンクリート製の白い彫刻が置かれている。終戦後間もない1950年代、日本経済の発展に伴って全国的に大型土木事事業が興り、セメントの需要が飛躍的に高まった。こうした時代を背景に、大手セメント会社が当時の新進気鋭の彫刻家にセメントなどを提供してコンクリート彫刻展を開催するなど、コンクリート彫刻の制作に大規模な支援を行い多くのコンクリート彫刻が設置された。

「札幌彫刻美術館友の会」では、今年度事業の1つとして、市内にあるコンクリート彫刻の実態調査を行った。その結果、多くの作品が緊急、又は早期に補習が必要と分類された。市内で最も早く設置されたコンクリート彫刻「つよいこ よいこ」(山内壮夫 作)は設置後に何度も白色塗料で表面処理されていたようだが、塗料が表面のあちこちで、モルタルと共に剥落しているほか、多数のクラックやポップアップばかりでなく、鉄さびや骨材の露出、作品の一部が破損・欠落も観察された。
又、学校校内に設置されているコンクリート彫刻は設置後30年ほどではあるが、やはり補習を必要としている。これまで友の会が中島公園の山之内壮夫作のコンクリート彫刻を対象に、透明で紫外線に強く、コンクリート浸透性を持つポリマー塗料による補習を試行している。この処理が原型の色調を損ねることなく、5年以上にわたって汚れや雨水を防ぎ、保存効果を上げることを確認している。
公園や学校に設置されているパブリックアートとして、設置された経緯や作家の意図を伝え続けていくためにも、絶えない彫刻補修の努力を続けていかなければならない。

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ゆきあかりin中島公園が始まりました。

  2月6日  友の会が担当する「願いと灯りのターミナル」コーナーでは前日に作られた雪の壁に願いを書いた紙コップを入れる穴を掘る作業が行われました。  

今年は山鼻小学校の3年生80人が先生と穴を掘るお手伝いにやってきてくれました。

穴の開け方の説明を聞いた後、ひとり一人シャベルを手に懸命に硬い雪の壁をもろともせず、しっかり穴をあけていました。そのうち穴をつなげてみたり、豪邸だよと大きな穴を掘ってみたり子供たちの楽しむ様子に大人も笑顔を誘われました。終わりの集まりではこのお祭りの由来は?、願いはかないますか?など活発な質問も出ました。子供たちが作った穴数はなんと200を越えていました。

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中島公園ゆきあかり

今年も雪まつりの季節がやってきました。中島公園では2月6.7.8日 第9回ゆき灯りin中島公園が開かれます。例年友の会ではこの実行委員会に参加し、「灯りと願いのターミナル」コーナーをお手伝いをしています。
紙コップに願いを書いてもらってろうそくをともし、雪山に飾ります。
今年もお手伝いをしますので、時間のある方は是非ご参加ください。子供たち、若いカップルなどの心あたたまる夢や願いにこちらも心が温まりますよ。

ぜひお出かけください。

昨年の様子

facebookゆきあかりのページ

「新渡戸稲造記念公園」ほぼ完成

遠友夜学校跡地に造成中だった公園がほぼ完成。あとは数年後に北東片隅に、「札幌遠友夜学校記念館」が建設されることになっている。
ここに存在していた<新渡戸稲造顕彰碑>は私達彫刻友の会がこの像を清掃し見守ってきたので、感無量である。移設された顕彰碑は、公園南側に北向きで移設された。
又この名称についてはブロンズ像に鋳込されている名称通り<新渡戸稲造萬里子両先生顕彰碑>と改称するよう市教委に要請したところ許可された事は大変喜ばしい。
公園内には金属製の3基の綺麗なパネルが打ちっぱなしにはめ込まれ設置されている。これは札幌で初めての街区公園としてのメモリアルウォールである。
  ◆下記写真をクリックし、拡大してご覧ください。

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「札幌国際芸術祭2017」フライングフォーラム

「札幌国際芸術祭2014」の成果を踏まえて、次回の準備を~ということで、2017年の第2回札幌国際芸術祭に関連したフォーラムが12月9日(火)18時20分からLプラザホールで開催されました。
7月19日~72日間にわたり開催された初めての芸術祭は47万8千人が来場し、当初の30万人をはるかに超えました。1300人を超えるボランティアに支えられ、又連携事業も数多く開催されました。彫刻美術館友の会は大通の彫刻の「案内板」デザインを依頼され製作に協力しました。
フォーラムでは初回「芸術祭」に高い評価が記されるとともに数多くの課題も指摘されました。
「彫刻美術館友の会」と致しましては、もっと市民・道民がわくわくとした気持ちで多くの方が参加して盛り上がることのできる市民目線の第2回芸術祭にするべく、今から準備が行われることを切望します。

小説 《母子像》

村井正己
学校法人東海大学教職員、屋外彫刻調査保存研究会会員

 sCIMG2832昭和37年のある日のこと、彫刻家山内壮夫は、来年できる砧公園の予定地に来た。彼のアトリエからはそう遠くはない。歩いてきたのだ。彼はつぶやいた「大きな敷地だな。まだ、佐藤先生はきてないな。」
 「おーい!山内君」と山内の後ろから呼び止める声が聞こえた。建築家の佐藤武夫である。「落ち会う約束にはまだ早いのにさすが山内君はまじめだね。」
 山内は照れ笑いをして、「いえいえ、先生をお待たせする方が、気がひけてたまりませんので、早く来ました。」
 落ち合った二人は、現場事務所に行き、担当者と打ち合わせをした。 続きを読む

秋のバス旅行

心配した台風もどこへやら、10月15日(水)秋晴れのお天気に恵まれ「空知の彫刻と炭鉱遺産を巡る旅」に38名の参加者で無事終了いたしました。12号線の岩見沢を皮切りに赤平まで、事前に用意した資料片手に観て歩きました。中でも今取り組んでいるコンクリート彫刻の劣化状況など、専門家の高橋大作さんの解説が参加者にはとても関心が高く興味深かったようです。エルム高原「彫刻公園サキモリ」は秋の紅葉が真っ盛りで素晴らしかった。童心に帰り長い滑り台を、多くのみなさんがすべられたのには驚きました。

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空知の彫刻と炭鉱遺産を巡るバスツアー

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彫刻友の会恒例のバス旅行
「空知の彫刻と炭鉱遺産を巡るバスツアー」7日(火)の締め切りが迫りました。
余席がございますので、お急ぎの上
細川までお申し込みください。
紅葉が美しい秋のひと時ご一緒に、バス旅行を楽しみましょう!

◆お問い合わせ
メール dtmfh930@jcom.home.ne.jp
携帯  090-9435-2551

 

コンクリート彫刻調査

9月19日初めてのコンクリート調査を行いました。
秋の空の気まぐれには参りますが、その秋空の下、一時は雨に濡れながらの実施でした。コンクリート彫刻調査は高橋大作さんの指導で市民ホール前の「希望」と豊水まちづくりセンターの「はばたけ豊水の子」、
中島公園の山内壮夫の作品4体のサイズ計測、損傷状態調査を無事終えることができました。
「ヘアークラック」「ポップアウト」「スケーリング」などというコンクリート専門用語も板につき統一された調査票に数名のグループで詳細に書き込みます。
希望の像も4年前に損傷部の修復を市が行いましたが、不十分なやり方であったこともわかりました。
中島公園の山内壮夫の作品も損傷が進んでいる状態です。
今後 残り、25体について10月中に調査を終え、結果を出す予定です。
中島公園で調査中、ちょうど遠足で札幌にやってきた角山小学校の生徒たちに遭遇しました。高橋淑子さんが解説をすると子供たちも耳を傾け、彫刻に触ったりして楽しんでいました。
 
 
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