彫刻の清掃と解説」カテゴリーアーカイブ

2016/6/4 新渡戸稲造記念公園清掃

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今回は、やや不安定な天気の中、新渡戸稲造記念公園の『新渡戸稲造・萬里子顕彰碑』清掃を行いました。
前日からの雨模様で、今日も予報では強い雨が降るのではないかと予想されていましたが、運良く午前中は雨が上がり、無事に彫刻清掃を実施することができ、よかったと思います。

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これが今回清掃する、顕彰碑と解説パネルです。

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髙橋さんの彫刻解説、非常に勉強になりました!遠友夜学校跡地であるこの公園の中で顕彰碑は3度も移設を繰り返してきたそうですが、それだけこまめに手がかけられ大切にされてきているんだな、ということが彫刻の状態の良さからも見て取れます。札幌市内の他のブロンズ彫刻と比較しても、凄く綺麗ですよね。

解説後は「新渡戸稲造と札幌遠友夜学校を考える会」のみなさんと共に彫刻清掃と、公園に隣接している空き地(記念館建設予定地)の雑草除去を行いました。

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彫刻はこの顕彰碑一体のみ。ですが山内壮夫晩年の貴重な作品でもあり、学校シンボルマークやレリーフの装飾など、細かく複雑な形状をしているため、丁寧かつ慎重な清掃が必要となります。雑巾による水拭きと、歯ブラシでの細かい部分の清掃を、じっくり丹念に行いました。

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乾拭きまで全て行った後、全体にワックスをかけます。こちらも同様、細かい作業が要求されます。

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公園の看板や解説パネルの清掃も忘れずに行いました。

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先に書いたように、彫刻自体は非常に状態がよく緑青も少し確認できるほどで、ほとんど劣化が見当たりませんでした。しかし台座と彫刻の継ぎ目部分に3カ所亀裂、ひび割れがありましたので、ここに記録しておきます。

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その他、左肘のサビ(?)と、円形に残った何かの跡。原因不明。

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空き地部分は果てしなく広がる大草原のようでしたが、みなさんの働きで、かなりすっきりしました。草むしりは、しぶとい根っこが多くなかなかの重労働でしたね・・・。

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新渡戸稲造記念公園、きれいな公園ですが、また更に美しくなりました。
みなさま、今回もお疲れ様でした。次回の彫刻清掃もよろしくお願いします!

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2016/5/22 大通公園彫刻清掃(泉像〜花の母子像)

本日(5/22)大通公園にある泉の像と、泉から東側に設置されている彫刻計5点の清掃を行いました。天気は快晴に恵まれましたが、日差しも強く気温も一気に上がり、汗ばむ陽気の中での清掃となりました。

泉の像

泉の像

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ライラック祭りで賑わいを見せる大通公園。花も見頃です。
本日は、このライラックとともに噴水の涼しげな雰囲気を味わえるエリアにある彫刻、泉の像、石川啄木歌碑、牧童、開拓母の像、花の母子像をお掃除しました。

泉の像前で清掃活動をしはじめる皆さん

泉の像前で清掃活動をしはじめる皆さん

日曜日ということで多くの方にご参加いただけました。私の友人も数名参加。そして視覚障碍者である、越山さん、塚本さん、安藤さん、千田さんにもご参加頂きました。
私が以前参加した視覚障碍者のための美術鑑賞イベントで知り合った方々で、以前から彫刻の清掃に興味を持ってくださっておりました。私から彫刻友の会の方にお願いをして、今回参加させていただけることになりました。マイノリティでありながら、積極的に清掃に取り組んでいただきました。

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目が見えない方にとって「触れる」ということは見ることと同じくらい重要なことです。実際に触れながら彫刻の解説を聞き、清掃に従事できたことを非常に喜んでおられました。彫刻の清掃は簡単に「誰でも」できる活動であることを改めて思いました。

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また、目が見える方にも負けないくらい丁寧にしっかりと掃除をしていただきました。

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大勢の人に囲まれて、花の母子像もちょっと嬉しそう?

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彫刻の破損状況ですが、牧童の少年かかとにのみ、穴が一カ所ありました。おそらく鋳造の際に作られた穴で、通常は蓋をされるべき場所ですが、何らかの理由で取れてしまったようです。ここから水が入ってしまうと内部の侵食や、凍結による破損の危険性がありますので、早めに塞ぐ必要があります。

穴

清掃は予定通り一時間で終了しました。いつもと違った雰囲気での清掃会でしたが、順調に作業ができました。ご参加頂いたみなさま、お疲れ様でした!

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2016/5/15 真駒内の清掃活動

5月15日(日) すっかり緑が生い茂る春となった真駒内の、彫刻清掃をおこなってきました。
今年初の清掃活動となりますが、わたくし太田が記事投稿をするのも今回が初です…。今後ともよろしくお願いします。
※画像をクリックすると大きな写真で表示されます。

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まず始めに清掃をしたのは真駒内駅前に設置されている丸山隆氏作の『ひとやすみする輪廻』。毎年春になると周囲の花壇を花が彩りますが、まだ花は植えられていないようでしたので、彫刻の水拭きと合わせて雑草の取払いを行いました。 

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土ぼこりと雨跡を雑巾で綺麗に拭き取りました。しかし、かなり接近しないと分からない薄さですが、いたずらのような傷跡もありました。今後修復をする必要があるかもしれません。

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清掃後は斉藤さんによる作品解説を会員の皆さんでお聞きしました。札幌を大いに盛り上げたオリンピックを終え、トラックを模した楕円の中で折り重なった石たちがひとやすみしている作品だそうです。また、彫刻の下にある土の中でもタイムカプセルが一休みしています。タイムカプセルは2051年に贈られたもの。開けられるのが楽しみですね。

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続いての清掃は、真駒内第一公園にある『牛と少年』。佐藤忠良の作品です。こちらは台座が非常に高い作品ですので、脚立を使い雑巾がけを行いました。

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また、牛の後ろ足の蹄と膝部分に亀裂がありました。亀裂部分からわずかに緑青が生じています。

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脚立を使った雑巾がけは、時折交代しながら進めました。足場の不安定な状態での掃除は簡単ではありません。また、周囲の草むしりも行いました。

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最後に、エドウィン・ダン記念公園に移動し、エドウィンダン像の清掃を行いました。
こちらは高圧洗浄機による水洗いと雑巾がけ、そしてワックスがけを行いました。

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ジェネレータから電源を供給し、洗浄しました。途中、セッティングに戸惑い時間を要してしまうトラブルもありましたが…私の友人の協力もあり、なんとか稼働。

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長い物干竿を使っての放水作業はなかなかの重労働!何人かで協力して清掃作業にあたりました。

こちらは花崗岩の台座部分に見られた亀裂と、ブロンズの緑青です。残念ながら銅像本体部分までは細かくチェックすることができませんでした。きちんと撮影するには望遠レンズが必要かもしれません。

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洗浄機の設定や、清掃メンバーの輸送でところどころ問題ありましたけど、全体的には予定通り、12時きっかりに全ての清掃作業を終えることができました。みなさんの手際のよさは勉強になります…!自分もこれから足を引っ張らないようがんばります。

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お昼は吉田さんのお宅で大変美味しい山菜料理をふるまっていただき、清掃を行ったみなさんで春の味わいを楽しみました。おにぎりも美味しかったですね!

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ごちそうさまでした。
(太田)

ホーレスケプロン・黒田清隆の像清掃

IMG_3749IMG_3748 ホーレスケプロン像と黒田清隆像はともに1967年の北海道開拓100周年記念として設置されたもので、建設以来ほとんど保全補修はされていなかった様です。そこで彫刻友の会として遡る事10余年前に背の高いこの二つの像を清掃する為、クレーン車による放水洗浄作業が行われました。その作業でケプロン像の本体を軽く押しただけで銅像が揺れることが判明、原因は台座の石組みにいくつか亀裂があり台風や地震などで倒壊する危険があることが解った。事態を重く見た札幌市はケプロン像台座修復に50万円を計上し専門業者により樹脂注入法による補修を行った経緯があります。

清掃は8月22日(土)10時から開始、友の会所有の高圧洗浄機、ジェネレター、物干しポールを用意し、ポールの先に高圧洗浄機のノズルを固定しての洗浄でした。
大通高校の生徒さん2名を含む14人の参加でした。
作業準備をしている時に、散歩中の近所の方が、見かねてか、こういうのは得意なんだとしっかりポールにノズルを固定してくれて、洗浄を手伝っていただき今後もお手伝いしたいので連絡くださいと申し出てくださいました。高校生も台座を細かいところまでしっかりきれいにして、高圧洗浄機にも挑戦、6mを超す高さの彫刻ですが、脚立も使わず、安全に作業することができることもわかり、今後の彫刻清掃活動にも大きな成果でした。最後に高橋淑子さんから彫刻の解説を聞き、さらに彫刻が身近になりました。
高校生も彫刻がきれいになってうれしい、とても楽しかった、また声をかけて下さいと感想を述べてくれました。ふと上を見ると、すっかりきれいになった黒田さんの頭の上に鳩が心地よさそうに止まっていました。

同日”中島公園香りの広場に点在している山内壮夫の作品4点”の清掃も行われました。
参加者は中島公園管理事務所主催の野菜つくりの親子(ほぼ20名)
親子を3組に分けて、私たちが彫刻1点づつ受け持ち、子供たちと一緒に歯ブラシと、ぞうきんを使って彫刻の水洗いををしました。5歳から10歳ぐらいの子供たち、彫刻にふれて大はしゃぎでした。
最後に「笛を吹く少女」(山内壮夫 作)全員で解説を聴きながら水をかけて終了。毎年、1点づつ皆で清掃をすることを約束をして解散しました。子どもたちが野外彫刻に目を向け野外彫刻を愛し、大事にしようという気持ちを育ててくれることを願っての地道な活動を今後も続けていきたいと思っています。
 

 

レナード・バーンスタインの清掃

バーンスタイン2 (2)バーンスタイン2 (1)8月4日(火)、中島公園のコンクリート像《猫とハーモニカ》に2回目(5年ぶり)のパーマシルド塗装を行いました。前日十分洗浄したのと晴天続きのお陰で塗料の乾きもよく、早めに作業を終えることができました。中島公園の野外彫刻を見まわっていつも気になるのが昨年新たに設置された宮田 亮平作のブロンズ《レナード・バーンスタイン像》の汚れ具合です。
カラスや鳩がバーンスタイン先生を止まり木代わりにしているらしく、頭部や肩に白い鳥糞の汚れが目立ちます。そこでブロンズ表面を傷つけることなく手軽に且つ安全に清掃する方法を試して見ることにしました。この像は等身大の立像で、高さ150cmほどの石の台座に載っています。また台座の幅が狭いため台座に上がって手作業するのが難しく、脚立が必要です。このため脚立、バケツとモップを使って像を水洗することにしました。この方法でも脚立をしっかり支え、清掃者の安全が確保されていれば、モップ水洗方式で十分綺麗にできることが分かりました。

脚立を使わない方法としてケルヒャー高圧洗浄機による水洗もありますが、ここには電源がないため発電機を持ち込む必要があります。また水道管からホースで放水洗浄する方法あるいは長い棒先にモップを括りつけて水洗する方法などもあります。いずれこれらを試しながら誰でもいつでも簡単かつ安全に清掃できるようにしたいと願っています。
バーンスタイン先生がいつも綺麗なお姿であられるよう、皆で守りたいものですね。
清掃に参加してくださった皆様ありがとうございました。 橋本

中島公園「鴨々川清掃活動」

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 中島公園内の鴨々川清掃に伴い、私達「彫刻友の会」でも園内の彫刻清掃を行いました。町内300名近い市民ボランティアの春の恒例行事です。いつものように公園入り口付近にある彫刻「森の歌」(山内壮夫作)は、仲間のシニアネットの人達の協力で見違えるように綺麗になりました。作品が6メートル余りと大きいため高圧洗浄機を使っての作業です。彼らは3年目で難しい高圧洗浄機の扱いにもすっかり慣れ、手際よく作業が進みます。その他「木下成太郎像」(朝倉文夫作)も南校の学生さん他大勢の方々の協力で無事終了!お天気にも恵まれ心地よい汗を流しました。
お疲れ様でした。

真駒内春の清掃活動

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5月24日(日)真駒内彫刻の清掃に参加しました。爽やかな緑の風につつまれ、三台の車で移動しました。
最初に、真駒内駅前にある「ひと休みする輪廻」(作 丸山隆)の清掃を行いました。この彫刻は、札幌オリンピックのトラック競技場をイメ-ジしたモニュメントですが、ツ-トーンの色調と上のギザギザがとてもいい感じです。そして台座のまわりが、色とりどりの美しい花壇になっていました。駅前の美化にちなんで、市立大学の学生さんのデザインで今年5月に完成されたばかりだそうです。        
早速、いつもの手順通り水洗いからから拭きまで、優しい手作業により予定通り仕上がり、お花畑とよくマッチしたモニュメントの円形が青空にくっきりと浮かびました。オリンピック記念の時計塔の芝を刈って、次の第一公園に移動しました。
第一公園では、遊具の奥に正ちゃん帽をかぶった「牛と少年」(作 佐藤忠良)が待っていました。芝生は元気な草がボ-ボ-生えていました。一年振りの「牛と少年」も早速水かけ、汚れ落とし、拭き取り、脚立おさえ、用具渡し、ワックスかけ、から拭き等みんなの協力でピカピカに仕上がりました。
子牛の後ろ足に亀裂が見つかりました。周辺の伸びた芝生は、カマの手つきがプロみたいにカントリ-な人がいて、ビニ-ル袋が草でいっぱいになりました。次の移動で、最後の目玉の「エドウィン・ダン像」(作 峯孝)に着きました。ここで初めて、高圧洗浄機の登場です。車から降ろして準備する作業が大変です。組立準備には、技と知恵が要ります。その間に水槽のケースにバケツで満タン近く水を運び入れます。ダン像は約5Mもあるので物干し竿をつないで先端に洗浄機の先をしばりつけ固定します。全部準備できたら、注目のスイッチオンです。年々、レベルアツプしているこの光景をダン像も上からじっと見守っています。電動音と共に強力なシャワーが噴出します。水圧と風向きを確認して、しっかり竿を持ち、慎重に洗浄して行きます。その威力は、ダイナミックで強力です。腐蝕の元の鳥の糞やこびりついた泥埃を一瞬に洗い流します。とても可哀想ですが、奥のくぼみの虫の巣も木端微塵です。察知して逃げて欲しいと思います。後片づけが終り、まだ水がしたたっているダン像を見上げ、思わず拍手を送りました。   
彫刻清掃後の昼食は、みんなのお腹を幸せいっぱいにしてくれました。(斉藤ミサオ)

新渡戸稲造記念公園清掃活動

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 札幌市中央区南4東4の遠友夜学校跡地が昨年12月に新渡戸稲造記念公園として生まれ変わりました。
この一角には遠友夜学校記念館が来年着工の予定です。また公園には山内壮夫制作の「新渡戸稲造満里子両先生顕彰碑」が建立されています。
公園を管理する中央土木センターから当会に碑の清掃の依頼があり、昨年に続き碑の清掃を実施しました。
5月22日に公園に集合しましたが、ちょうど近くの保育園児たちが体操や、ダンスに興じていてこの公園が地域に親しまれていくことを感じました。そして子どもたちが公園の由来を知り、遠友夜学校の歴史を後世に伝えていってほしいですね。
碑は毎年の清掃の成果で、状態は思いのほかよく、水拭きで汚れを落とした後、軽くワックスがけをしました。
青年像はちょうど出てきた太陽の光線を浴びて美しく輝いていました。(奥井)

5月のの清掃活動

「新渡戸稲造萬里子亮先生顕彰碑』の清掃
集合 5月22日(金) 午前10時30分 新渡戸稲造記念公園(南4条東4丁目)

真駒内公園の彫刻清掃
集合5月24日(日) 午前10時 地下鉄真駒内駅前、広場 「一休みする輪廻」の像 前

 

コンクリート彫刻調査

9月19日初めてのコンクリート調査を行いました。
秋の空の気まぐれには参りますが、その秋空の下、一時は雨に濡れながらの実施でした。コンクリート彫刻調査は高橋大作さんの指導で市民ホール前の「希望」と豊水まちづくりセンターの「はばたけ豊水の子」、
中島公園の山内壮夫の作品4体のサイズ計測、損傷状態調査を無事終えることができました。
「ヘアークラック」「ポップアウト」「スケーリング」などというコンクリート専門用語も板につき統一された調査票に数名のグループで詳細に書き込みます。
希望の像も4年前に損傷部の修復を市が行いましたが、不十分なやり方であったこともわかりました。
中島公園の山内壮夫の作品も損傷が進んでいる状態です。
今後 残り、25体について10月中に調査を終え、結果を出す予定です。
中島公園で調査中、ちょうど遠足で札幌にやってきた角山小学校の生徒たちに遭遇しました。高橋淑子さんが解説をすると子供たちも耳を傾け、彫刻に触ったりして楽しんでいました。
 
 
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